熊八拾伍号／吉祥寺H邸「音楽とラナイのあるリビング」

［2020. 1竣工］
ピアノを楽しめるリビングに住みたい。リビングから半屋外スペースであるスカイラナイで食事や音楽を楽しみたい。熊八拾伍号H邸は、そんな願いを叶えた都市型の音楽建築です。明るく開放的な空間を好まれるクライアントの要望に応える為に、2階にダイニングリビングとキッチンが一体となった32畳の無柱空間を実現しました。木造であっても集成材や現代的な木質構造計画で設計を行うことで、このようなダイナミックな空間を実現しています。

天井面はピアノが美しい響きを奏でるように、反射音の拡散性に配慮して舟形の形状にしました。天井面がリブ状になることで反射面積を広げて、より響きの残響を得られる音響設計となっています。ピアノを中心としたサロンコンサートが出来るリビングとなっています。

リビングダイニングに続いたラナイを計画することで、天気が良い時に屋外で食事やお茶をするなど様々な楽しみ方が広がります。キッチンスペースは、ダイニングスペースとラナイと共に隣接することで、空間全体を見渡せる配置とし、食事のテイクなどの利便性にも配慮しています。

キッチンはオークによる天然木突板で造作し、ステンレスの天板は厚さ3ｍｍの無垢板を加工。シンクを含めて一体で成形することで重厚感のある美しい仕上がりとなっています。

1階にメインの寝室や水廻を計画していて、子供部屋や寝室など、直接肌に触れる空間には時ノ寿材の檜が使われています。柔らかく寝心地の良い桧材が、大人も子供達もリラックスして過ごせる空間作りに役立っています。