熊九号／駒場A邸新築工事

［2002.10竣工］
熊工房が駒場商店街にデビューした際に、菱田屋と共にオープニングで奥様が飛び込みでご依頼をいただいた住宅です。当初、旦那様から木を生かした大胆な提案をしてほしいと言われ、基礎から屋根までを1本の大黒丸太で支える国産桧の住宅をご提案しました。当初は中庭に面したガラスの浴室なども提案しましたが、ここは無難に畳の昼寝桟敷となり、浴室は北側に移動しました。旦那様からの提案で、ガスＦＦによる床下吹き出し型の暖房や高い吹き抜けに上がった暖気をパイプファンで床下に循環させるなど、エコリサイクルメントの高い設備設計をしています。

構造は通し丸太と中柱で構成した鳥居のような構造に湾曲集成材の登り梁を組み合わせました。これは古典在来工法の会津組を応用した、現代的な解釈で構造設計を試みています。丸太が家にあることで、ご子息は神社やお寺の丸太に愛着があると高校生の時に言ってくれました。このコメントは今でも私に大きなヒントを与えてくれていて、大いなる自信に繋がっています。